「あの店に行けば大通高校生に会える」について知っていることをぜひ教えてください
「あの店に行けば大通高校生に会える」
大通高校では毎年、販売活動とそれに伴う諸活動(渉外・連絡調整など)や幅広い方達との出会い体験を通じて、ビジネスに必要とされる経験を蓄積し、将来に役立てることを目的として、オータムフェストをはじめ様々な場所で販売実習を行っています。
生徒達は事前に「接客」について学習します。指導する側としては過去3年間、接客マナーの本を読みあさり、内容をまとめた教材をもとに生徒と準備を進めてきました。
毎年販売実習を繰り返す中で何かが足りない、そう感じていた時に、私の大好きなお店、北海道料理 絆 店長 堀田智之(S1サーバーグランプリ北海道代表)さんから「S1サーバーグランプリ」という大会を教えて頂きました。「あの店に行けばあの人に会える」そう思って頂ける日本一のサーバー「ベストサーバー」を選ぶ大会。
まさに何かが足りないと感じていたこと、それは来てくださったお客様に商品をうまく販売するというテクニックではなく、「また合いたい」「また大通高校生が販売しているハチミツを食べたい」と思って頂ける接客をすることでした。
そこで今年は堀田さんのご紹介で、S1サーバーグランプリ第10回大会で全国大会ファイナリスト伊藤 愛子さんに接客についての講義をして頂くことができました。
仕事に誇りを持って働く大人の女性としての生き様
ニューハーフというだけで300社以上の飲食店に面接で断られ、酷い時は目の前で履歴書を破られた経験を持つ伊藤さん。
しかし、今やスタッフとして接客をする傍ら、全国各地で公演活動を行っています。
冒頭の挨拶では、実際に「ニューハーフみたことある!?」という伊藤さんからの質問に対し、生徒達は「普通にある」「別に珍しくない」と返答。伊藤さんも多様性を受け入れることになんの抵抗もない生徒達に拍子抜け。
温かく和んだ空気で講義がはじまりました。
接客で使用してはいけない3大用語の説明から始まり、様々なキーワード、「接客と恋愛と人生は同じ」「人の3タイプ発・展・聞」と、どれも分かりやすく心に響く内容ばかりでした。
さらに後半はご自身の人生を振り返り、辛い状況から立ち上がったエピソードなど、仕事に誇りを持って働く大人の女性としての生き様を体当たりで伝えてくださいました。
直前まで生徒達に何を話そうか緊張していたとおっしゃっていた伊藤さんでしたが、さすがは接客のプロフェッショナル。生徒達の心をグググッと動かして頂きました。
give & give & give
今年も 地域を学びのフィールドとすべく、生徒達はまちに繰り出します。この授業で生徒一人一人が何を学びとったのか、接客を通じてお越し頂いたお客様に満足して頂けることを期待しています。
学校の外に出て話してみたい、繋がりたいと思う大人に出会った時のために、この授業の受講生は名刺を持っています。講義終了後、伊藤さんと名刺交換をする行列ができていたことがとても印象的でした。
真剣に向き合ってくれる大人に生徒達は心をひらく。
接客モンスターと評される伊藤愛子さんは、オータムフェスト2015 11丁目会場「チャレンジオータム」ブースで生徒達と「give & give & giveの接客」をしてくださる予定です。
商業科教諭 西野 功泰