Pudding De Riz Cremant(プディング・ドゥ・リィ・クレモン)。
北海道産の米粉と岩見沢産のワインを使ったプリンだ。
赤ワインの「ルージュ」、白ワインの「ブラン」、ロゼワインの「ロゼ」の3種類の味があり、
それぞれ渋みや甘味、甘酸っぱさなど各ワインの特徴が残っているため、ワイン愛好家にも愛されるものとなっている。
このプリンは岩見沢緑陵高校情報コミュニケーション科の生徒が、課題研究という取り組みのなかで企画したものであることをご存知だろうか。
ワインプリンの取り組みが始まったのは、2011年のこと。
―「米粉を使ったスイーツで岩見沢を広めたい」
そんな思いがきっかけだ。
当時はまだ米粉はあまり身近ではなかった。だからこそいかに身近なスイーツを作るかが勝負となる。
そこで岩見沢市内の老舗のパン屋である株式会社モンパリに協力依頼をした。
「LOVE イワミザワ」というグループを紹介してもらい、試作と試食をかさね、完成したのが現在のワインプリン。
Pudding De Riz Cremant(プディング・ドゥ・リィ・クレモン)だ。
商品のコンセプトを「上品でかっこいい」と決め、“pudding”はプリン、“riz”は米、“cremant”はワインという意味をもつ。
北海道産の米粉と、三笠産のたまご、岩見沢農業高校の牛乳を使い、宝水ワイナリーの岩見沢産ワインをジュレ状にしている。
そしてこのワインプリンを売るのが「プリンガール」。
プリンガールの活動が始まったのは、2012年。前年度のプリンの企画を引き継ぎ、より販売活動に力を入れるために発足した。
プリンガールとしての最初の仕事は、STVラジオ「オハヨー!アラカルト」への出演。
課題研究のコンセプトやプリンについて事前に勉強してから本番にのぞみ宣伝した結果、その日のプリンの売り上げは急激に伸びたという。
その他、FMはまなすのラジオにも出演し、より宣伝に力を入れるためプリンガールのトレードマークとなるおそろいのエプロンを作ることに。
岩見沢出身で現在東京にて活躍しているデザイナー、植田薫さんにデザインしてもらい完成したそれは、
プリンガールのイメージに合うクリームホワイトの柔らかい生地が特徴。
材質や襟、ボタンにもこだわり更にウエストを絞ったことで女性らしい清楚さがうまれた。
そのエプロンを身につけて大丸松坂屋百貨店札幌店のほっぺタウンにて販売を行った。
大丸札幌店にとっても、高校生が販売するのは初の試み。
販売を行った4日間とも100個以上を売り上げ販売は大成功。
続いて地元・岩見沢の百餅祭りにて販売を行い、そこでも3日間とも100個以上を売り上げ、なんと終了2時間前に完売した。
そしてプリンガールの最後の仕事となった、札幌つどーむ「食べるたいせつフェスティバル」。班員全員で販売を行った。
1日のみの販売だったがすべて完売。このプリンを買うために静岡から足を運んだ人もいたそうだ。
2012年度プリンガールとしての活動が終わってからも、宣伝効果の素晴らしさとプリンの人気、
札幌・大通りの「北キッチン」で200個以上の売り上げをたたき出した実績を見込んで、
「東京国分」さんや日本最大の食の展示会である「ビックサイトスーパーマーケットトレードショー」からも販売の声がかかった。
そして2013年、挑戦は3年目となる。
前年度の「上品でかっこいい」というコンセプトを受け継ぎ、広報活動と販路の拡大に力を入れた。
そのために、プリンガールに続き「プリンボーイ」がデビュー。黒いロングのギャルソンエプロンがトレードマークだ。
札幌で活躍するデザイナー、高田大輔さん協力のもと他班と共同でポスター、フライヤー裏面の作成を行い、
ポスターは販売の際に掲示しフライヤーは小学校に保護者対象で配布、販売の際には手渡しした。
癒しをテーマにした「Recovery」という芸術企画が岩見沢、まなみーるにて採用され、
新聞に記事が取り上げられたことでイベント企画以上の宣伝を行うことができた。
さらなる広報活動のためにいわみざわ公園内のバラ園で行われたワインピクニック、輪厚パーキングエリアにて行われた「ハイウェイShow」、
地元・岩見沢の百餅祭りや中小企業家同友会主催の全道経営者共育研究集会で販売を行い、すべてのイベントにおいて完売した。
前年度に引き続き大丸松坂屋百貨店の販売では8日間にわたって販売し、見事完売。
新聞に載り、販売の様子を北海道夕方の情報番組である「イチオシ!」で生中継されたことで、テレビで宣伝するという目標も同時に達成した。
こうして2013年度は、プリンガールとプリンボーイによる多くの販売活動と宣伝で、
年度当初にたてた販売目標個数の3000個を上回るという素晴らしい功績を残した。
そして今年度、2014年。4年目の挑戦だ。
前年度と同じく販売活動と宣伝に力を入れ、テーマは「客層の拡大」。
ワインというと、小さな子どもには食べさせられないと思う保護者の方も多いだろう。
だがこのワインプリンはアルコールを完全に飛ばしているため、子どもでも食べられるワインプリンとなっている。
「大人らしさ」をイメージしたフライヤーやポスターは、高田大輔さんのアドバイスをいただきクオリティの高いものになっている。
年齢に関係なくおいしく食べられるプリン。今年度のプリンガールとプリンボーイの目標は、「北海道で一番有名なプリンにする」こと。
札幌地下歩行空間とJOIN ALIVE、北海道教育大学岩見沢校にて行われた「あそびプロジェクト」、
9月13日~15日に催された岩見沢百餅祭りにて既に販売を終え、例年同様、大丸札幌店での販売も10月末に決まっている。
プリンガールとプリンボーイがイメージキャラクターをつとめる、プディング・ドゥ・リィ・クレモン。
北海道で一番有名なプリンは岩見沢のワインプリン。そう言われる日がくることが楽しみだ。