市立札幌大通高校の授業は、どんなものがあるのでしょう?
今回、1年次用の【国語総合(1)】がどんな授業なのかを紹介したいと思います。大通高校への進学を検討している人は、参考にしてみてください。
※以下は実際に行われている授業の紹介ですが、講座ごとに多様な授業展開がありますので、一例として受け止めてください。
○概要
半期講座が多い大通高校の授業のなかでも、【国語総合(1)】は、通年科目です。2年次になると(2)を履修します。
「国語を適切に表現・理解し、伝え合う力を高めること」「言語文化に対する関心を高め、尊重する態度を育てること」を目的として、現代文だけではなく、古文・漢文の基礎的な知識の習得をめざしています。
「国語の授業」といえば、みなさんはどんなものを想像しますか?物語を読んだり、板書をひたすら書き写したり、先生の話をよく聞いたり・・・・・・。
「伝え合う力を高める」ためには、「読む能力」「書く能力」だけではなく、「話す能力」や「聞く能力」を身につける必要があります。
自分が今、どんな能力を身につけようとしているのかを意識しながら授業を受けることが大切です。
○授業内容例
①小説を読む。
・・・登場人物の「行動」と「心情(気持ち)」に注目して、物語の展開を読み進める。<読解>
・・・<読解>をもとに、問題形式で内容を確認し、説明の記述の仕方についても把握する。
②商品名を決める。
・・・商業科で開発した商品(食料品)の商品名を考える。
・・・実際に味見をして商品の特徴をつかんだり、販売相手や売られるタイミングなどを考慮したりして、適切なことばを選択する。
③古文を読む。
・・・品詞分解、助動詞、活用などの文法事項を整理・確認する。
・・・グループで協力しあって、自力で現代語訳をする。
ただ「聞いてるだけ」「書いてるだけ」ではなく、ペアやグループで相談しあって文章を読んだり、国語以外の教科と連携した内容でより社会に近い学びの機会を設けたりしています。
○生徒たちの感想、授業評価(一部)
【国語総合(1)】を受講している生徒58名に、アンケートをとりました。
Q.高校に入ってから、国語への興味・関心・意欲はどうなりましたか?
・とても好きになった-4人 ・好きになった-15人 ・ふつう-34人 ・嫌いになった-4人 ・とても嫌いになった-1人
約6割の人が、「ふつう」と答えました。「好きになった」傾向の人が、3割くらいいます。
Q.国語の勉強のモチベーションになるものはなんですか?(複数回答可)
・単位を取りたい-48人 ・テストで良い点を取りたい-22人 ・言語能力を身につけたい-20人 ・親や先生に勉強しろと言われる-3人
・将来、進学や就職をする時に有利になりたい-24人 ・国語で勉強する内容に興味がある-15人 ・その他-4人
約8割の人が、単位修得のために頑張っているようです。他人から勉強しなさい!と言われるからというよりも、自分が必要としているからという意識を持って授業に取り組んでいる人が多いです。
Q.考査の結果はどうでしたか?
・大いに満足している-1人 ・満足している-7人 ・こんなもんかな-29人 ・不満がある-20人 ・大いに不満がある-1人
自分の取り組みと考査の結果が相関していると感じる人が半数いる反面、「不満がある」と答えた人も多いです。ですが、以下の結果をご覧ください。
Q.定期考査の難易度はどれくらいでしたか?
・とても難しかった-3人 ・難しかった-16人 ・なんとかできる-31人 ・簡単だった-6人 ・とても簡単だった-1人
定期考査を「なんとかできる」と答えた人が、6割弱います。つまり、「考査の結果は、自分の努力でなんとかできる」と考えている人が多いということです。「不満がある理由」を記述してもらいましたが、「もっとがんばれた」「ケアレスミスが多かった」など、自己の学習への反省が多かったです。
Q.授業では、どのような能力が身についたと思いますか?(複数回答可)
・話す能力-10人 ・聞く能力-29人 ・読む能力-27人 ・書く能力-28人 ・その他-5人
「聞く」「読む」「書く」はまんべんなく身についた実感がありますが、「話す能力」の伸長については、今後の課題となりそうです。
○まとめ
これは、前期の段階でまとめたものなので、後期の取り組みは、前期で学習しきれなかったことをフォローしながら進めることになるでしょう。
中学校までとはちがって、高校では専門用語や詳しい文法事項などを理解しなければならないことが多いです。しかし、みんな自分のためだという意識を持って授業に参加し、前向きに頑張っています。先生も、そんな生徒のみなさんを応援しながら、日々の授業を組み立てています。
冒頭にも書きましたがこれはあくまで一例ですので、どんな授業が行われているかは、学校説明会の体験授業や見学の機会を活用して、実際に目で見てみることをおすすめします。
2015.10.1. 国語科担当