失敗から自分を知る

3年次 松澤 天斗

 

気になった活動にすぐ首を突っ込んでしまう性格

 私が総合実践を受講した理由は、「面白そう」、「単位が取得できそう」そんな単純な理由でした。しかし、共に授業を受講している生徒は「商品販売を学びたいから」、「販売を通して人とのコミュニケーション能力を鍛えたいから」等、明確な目標がありました。また、私は自分が気になった活動には、すぐ首を突っ込んでしまう性格で、総合実践の授業内でもいろんな活動をしようと考えていました。

 

軽い気持ち

 ある日、授業内で私が挑戦する活動(実習にはいくつか選択肢がある)を決める時間がありました。その中で私は「高校生チャレンジグルメコンテスト」に参加しようと決めていました。ところが、参加希望生徒も多く、人数を絞ることになったのです。周りの生徒が自分の志望理由をアピールしつつ、何とか参加メンバーに加わろうとしている中、私はすぐに参加希望を辞退しました。理由は学校で行われている「キャリア探究」という課外授業にもエントリーしており、担当の先生に「そんなに何でも手を出して最後までやり通せるのか」と言われたからです。チャレンジグルメは他校の生徒や先生方、多くの人たちが集まる場、大通高校の代表として参加するにあたって、軽い気持ちで考えていた自分自身への悔しさを感じました。

 

興味のなかった「チャレンジオータム」の活動にチャレンジ

 私は自分の好きなことばかりに挑戦して、苦手なことからは逃げていました。また、複数のものに参加しすぎて日程管理や一つ一つに対する本気度が足りないと思いました。中学の頃から少しでも自分に嫌なことがあると学校を休んだり、部活をサボるなど、今回の自分の失敗とつながる部分がありました。そんな逃げの姿勢から、中学時代は不登校だった時期もありました。そんな出来事を通して、私は自分が興味のあるもの以外にも挑戦していこうと目標を立てました。「チャレンジグルメ」に関しては、生半可な気持ちで参加するのは参加したい生徒に失礼だと思い、参加を辞退しました。その代わりに、私があまり興味のなかった「チャレンジオータム」の活動にチャレンジしてみようと思い、その中の商品開発の一つである「いなだプロジェクト」に携わりました。

 

「蜂蜜革命」

 「いなだプロジェクト」は大通高校と一麟共同水産さんの共同開発でぶりの出世魚である「いなだ」と大通高校の蜂蜜を使った商品を開発するプロジェクトです。会議を進めていき、一つは照り焼きにすることが決まりました。

しかし、肝心のもう一つの味が決まりませんでした。ある日、私はたまたま担当の方と話していた「カレー」に着目しました。カレーとはちみつという組み合わせに、すりおろしたリンゴというなかなか斬新な食品が誕生したのです。試作を食べる前、味は大丈夫なのかと不安でしたが、いざ食べるとおいしいことが分かり、自分のアイデアは見事に成功しました。商品名は魚業界に革命を起こすべく、「蜂蜜革命」に決まり、チャレンジオータムでの販売実習を行いました。

苦手なことからは逃げない 

 チャレンジオータムでは大通高校のはちみつや、はちみつを使ったマカロン、ジャムを販売しました。正直、私たちが考えた「蜂蜜革命」は無事に売れるのだろうかと不安でした。当日、はじめは緊張もあってか接客も下手で思うように商品を売ることができませんでした。しかし、「蜂蜜革命」販売開始2日目からは、苦手なことからは逃げないという気持ちもあってか、自分のアイデアである「蜂蜜革命カレー味」を完売することができました。販売の中でも慣れてきたのかお客さまに合った商品をお勧めすることができるようになり、そのほかの商品も徐々に売れ始めるようになりました。

 

「人生の経験値」

    私はチャレンジオータムの実習を通して自分の苦手を知り、それを克服することができました。はじめは悔しい思いをした「チャレンジグルメ」の出来事も今となっては良い経験だったと思っています。失敗から自分を知ることで、私は大きく成長することができました。今後も自分の好きなこと、得意なことばかりではなく、苦手なことにも挑戦し、一つ一つの活動を一生懸命取り組むことから生まれる「人生の経験値」を高めていけるよう頑張りたいと思います。