こちらで 校長先生 を記述
校長先生って休日は何をしているのですか?
休日は、仲間と囲碁をやったりマラソンをしたりしています。
囲碁が好きで、大学時代からおよそ40年続けています。
マラソンは以前の学校で陸上部の顧問になって、中長距離の生徒が何人かいて、その生徒たちがなかなか強くなれないでいました。そこで、「一緒に走ろう」ってことで10㎞・20㎞走るようになってからすごく好きになりました。
なぜ教師を目指したのですか?
幼少期、姉・妹と暮らしており、母子家庭だったためか、消極的な子供でした。当時の将来の夢は、絵を描いたり本を読んだりするのが好きだったので、小説家や評論家、画家になりたかった。この頃から候補に「学校の先生」も入っていましたが、小・中学一年生のときの先生があまり好きにはなれなかった。
その後、中学二年生・三年生の時に自分に合う良い先生に出会い、その時に「教師もいいな。子供も好きだし、人と関わる仕事がしたい」と思うようになりました。
高校時代は、なかなかやりたいことが見つからなかった。でも文学・歴史・哲学、そこは間違いなく自分の分野だろうと確信していました。こっちは違うだろう、ここは絶対自分の適性じゃないかなとも考えた。みんなも焦らずに高校の時にすべての人生を見通すなんて絶対できない。ゆっくり、じっくり考える時間はある。
教師を目指して努力したことは?
歴史とか哲学とかをやりながら、いろいろな分野で教養を身につけていって、人としても、単なるものや教科を教えるだけではなく、人として大きな存在になりたいと思い頑張ったことです。
予備校に行く資金も無かったので、大学時代には新聞配達・記者の補助のアルバイトをしながら生活していました。色々試験には失敗したが、「教員には絶対なろう」と強い意志で勉強し、教員試験は1回で合格できました。
校長先生のお仕事って何をしているのですか?
校長室でやっていることは、とにかく大通高校のいろいろな課題や問題を考えています。大通高校をどうするかっていうことを具体的に構想していろんな案を考えて、それを先生方と一緒に話をして計画をきちんとしていく。そういう仕事がやっぱり一番大きいかな。
また、学校だけでは困難なこと(就職・大学・ボランティア等)を地域社会と連携して行っていけるように考えています。
3年間大通高校の校長先生として大変だったことはありますか?
正直言って大変です。まず大通高校は1,100人という多人数。そして生徒一人ひとりが悩みや大変さを抱えている。それを理解しながら生徒を卒業させるにはどうしたら良いのか。どうしたら今の悩みを少しでも和らげることができるのか、そんなことを考え続けた3年間でした。
校長先生の考える大通高校の魅力は?
こんなすごい高校はない!ありとあらゆる教育の在り方・形・可能性があります。大変な学校というのはとても楽しい学校ということ。大変じゃないというのは楽しくない学校ということです。学校というものは本来いろいろ大変なのだと思います。
生徒が自分たちで作り上げているような学校
大通高校の良いところは、自分自身の価値観を見出したり、生徒それぞれのライフスタイルがあったり、ミツバチプロジェクトを生徒が率先して行ったりと、生徒が自分たちで作り上げているような学校だと思います。
「多文化共生社会」の最先端
すごい価値観を引き出す学校、「進学校か否か」という従来の概念では捉えられない学校。“いいところ”に進学したかどうかではなく、高校の先に生徒たちが自分の未来を見つめ、創っていくことが大切です。
他の高校は、例えば「うちの学校は進学校です」「就職のための学校です」などと言います。だから、どこの大学に何人が進学したか、どこの会社に何人就職したかが大切になる。しかし、本当に大切なことはそういうことではない。
「一人一人がどんなふうに成長して、逞しくなって、社会に出て幸せになれるか」そういう所をしっかり見ていかなければなりません。大通高校は、そういう学校です。むろん、卒業後の進学や就職も大事だし全て大事なことなのですが。
大通高校の改善すべき点はありますか?
もっともっと社会に近い学校を目指して、そして目標としてはより多くの地域社会の人たちなどに応援してもらえるような学校を目指していきたい。
生徒として、会議に入るべきだ!
みんなは、大人の会議に入ることを経験するべきだと思っています。大人がどのように会議を進めているのかを知ることはとても大切なこと。本当はみんな高校時代に経験するべきだと思っています。これから先生と保護者と生徒との会議がおこなわれるように変えていければと思います。
大通高校が大切にしている人間関係って?
人間関係を作ることによってしか『いじめ』はなくならない。
実は子供たちの世界だけではなく、大人の世界にも陰湿なことがあります。それを大人たちは子供の世界のことで大変なことっていう風に思っているのだが、実はちょっとしたことで起こる。いじめる側だったら、自分に対する自信のなさ、劣等感といってもいいかもしれないけど、そういういじめる側にも苦しいものがあって、そのお互いの関係っていうのはすぐ変わってしまう。だけど、基本的なところは絶対に加害者がダメだってこと。いじめる側がだめだってことは間違いない。誰にも「心の苦痛やからだの苦痛」を他者に強いる権利はない。しかし道徳教育や愛国心ってことによっては、なかなかなくならないのだろうと私は思う。大通高校のようにいろんな経験をしてきた子供たちや、いろいろなところからきている人たちが、さまざまな人間関係や体験の中で学んでいくことだと思う。だから、大通高校の存在はすごく大事だと思います。
教師生活で印象深い生徒はいましたか?
ほとんどの生徒が印象深かった。13年間担任を行いました。担任をしていた時のクラスの生徒が今ではとても立派な社会人になって、家庭を持っている人を見るととても嬉しく思います。
退職を迎えるにあたってのお気持ちは?
非常に大通高校の3年間が楽しくて充実していたので、まだ辞めるなんてそんな気持ちがなく、「もっとこの世界にいられればな」という思いです。
こんな時代だからこそ勉強の好き嫌いも出てくる。そうした中で校長先生は勉強をどう思っていますか?
絶対自分の可能性を広げてくれるもの。未来の可能性を広げてくれるのは勉強だと思います。教養を身に着けていくと20代30代40代になったときに必ず生きてくると思います。
生徒達へメッセージをお願いします!?
自分は必ず社会の役に立つ。その思いを絶対に忘れないでほしい。大通高校の生徒は自分のことだけではなく、相手の心に入っていってほしい。
こんな素晴らしい学校はないということですね。全国でこれほどさまざまな生徒たちが学んでいる学校というのはないので、この中で学ぶっていうことは単に教科の勉強をするっていうこともあるんだけど、それ以上のものがあるので、絶対に卒業してほしいな。
取材を終えて…
- 取材を終えて、普段知ることが出来ない校長先生の一面や大通高校に対する思いを知ることができ、とても良い経験をすることが出来ました。また、校長先生自身も自分を振り返る良い経験をすることができたと話してくれました。
- 校長先生に働く大人としての意見や体験談等を聞くという貴重な体験ができ、今後の学校生活や進路に向けての姿勢が変り、自分自身を見直すことができました。
- 今回、校長先生にインタビューをして普段先生に聞けないような過去のことや、先生という職業について思っていることを直接聞けてとても勉強になりました。
- 学校の発展は先生と生徒のコミュニケーションが大事だと思いました。学校は生徒のためにあるものだから、学校の中心は生徒生活。この学校はまだ発展途中の状態ですが少なくともいい方向に進んでいるように感じました。
取材生徒
よくわかる商業と経済受講生徒(平成23年度後期)
丹羽 極
榊 優菜
吉川 葵
能戸 好
太田 香織
佐藤 リサ
品田 友紀
安部 比菜子
米田 美穂
山上 大輝
真保 幸紀
木村 智弘
戸田 成哉
澤田 小町
西川 顕珍
米谷 梨華子
石名坂 葵
野田 響希
林 凌也
熊坂 晴貴
大友 佑輔
熊谷 知津
羽賀 憧子
ソウ 健哲
岡田 実果
髙橋 あかり
吉野 葵
柳田 零大
石塚 友梨