「自分の住んでいる街の大昔のことを知るのって、なんかいいね」
札幌にお住いの先輩を平岸に移転した「札幌市博物館活動センター」にご案内した。このセンターはしばらくここで博物館運営とアウトリーチ活動をして来る自然史博物館の建設に備える施設だという。札幌は、渡島半島の付け根の山地と石狩低地とよばれる平地、そして、山地から土砂が扇型に流れ出してできた扇状地でなりたっている。そして、石狩低地は800万年前でもまだ海底だったと解説されていた。
「地球の歴史がすごい長くて、人類が生まれてからあとなんて本当に短いとかやっとわかったところだったけど、札幌の1500万年前とか、800万年前とか想像したこともなかったぞ」と大先輩は楽しそう。
「このカイギュウ歯がないんです」
「大きくなる過程で歯よりも効率のいい咀嚼版という爪のような組織を手にいれたようです」と動物の骨の勉強が大好きだというお姉さんが説明してくださる。
「札幌で見つかったカイギュウは巨大化した仲間のなかで最古の発見なんです」と嬉しそうだ。
北海道で発見されたカイギュウの化石は、小さいものか、この巨大化したなかで最古のものまで、幾つかの種類が残っているという。
「自分の住んでいる足下に歴史っていうのそんな時代があったって、なんか知るだけで楽しいね」
札幌で見つかった大きくなったカイギュウが生きていたのは820万年前だそうだ。模型を触って骨をバラバラに感じることができる。
時代は新しくなって、4万年前に噴火した支笏湖の火砕流が札幌まで飛んで来た話しがはじます。その火山灰が札幌軟石になったり、豊平川に押し流されて札幌の扇状地を作った話など、2万年前くらいまでに札幌の「形」が出来上がった話しや、1万年前ごろには気温が上がって今の東京ぐらいの気候だった話を楽しむ。立派な博物館ができのもたのしみだけど、今の活動に触れるのもいい。
小さな展示室で研究者たちと楽しく話すのもかなりいい
なんだかあったかい感じの提案がさらっとされている。こういうことは子どもにちゃんと知らせたいけど、大人が勉強したっていい。